彼女が現れた。小さな身体を全力で動かす様は大器の片鱗を見せつけている。並みいる強豪を引き離し先頭を走る。そのまま先頭でゴールした彼女に心を奪われた者は多いだろう。何故そう考えるか。私もその1人だからである
翌年、同じ舞台を彼女は走る。しかし彼女は年下の選手に敗れた。だからといって彼女から心が離れることはなかった。私は彼女が無敵ではないことを知って安心したのだ。彼女のストイックな部分を考慮したら、慢心することはないだろう。ライバルがいれば尚更である。私の目にはこの敗戦は次に繋がるものだと確信した
この年、彼女は満身創痍の状態でありながら1年中走り続けた。その結果、彼女はチームとして初めて全国の強豪と戦う機会を得た。彼女の走りがチームを鼓舞した瞬間であった。しかし彼女の肉体は疲労のツケを受けることになる
翌年、彼女は東京進出を果たす。そこは東京でありながら自然豊かな場所であった。疲労のツケを受けた彼女は安静しつつ反撃(成長と言うべきかもしれない)する機会をうかがうこととなる。当時受験生であった私にとって悩みの種の1つであったことをここに記しておこう
更に翌年(一昨年)、覚醒の時が来た。絶対王者(女王)と互角に渡り合う走りを見せたのである。安静は無駄ではなかった。そして翌年から彼女の快進撃が続くこととなる
昨年、彼女は世界の強豪と戦う機会を得た。そこで彼女はいきなり先頭に立ったのだ。初めて見た時のように彼女は先頭で走る。しかも今回は世界トップレベルの選手を相手にだ。しかし追い付かれてしまう。そこからが彼女の強さだ。耐える、粘る。そして見事に決勝に進出したのである。大器の片鱗が大器になった瞬間である
そして今年、彼女は世界の強豪と戦う機会を再び得た。更に新しいステージへと足を踏み入れた。初めて見た時と変わらない力強い走りで世界の頂点へ向かっていく。私はそのプロセスを全力で応援していきたいと思う
おしまい(世界陸上と関係ないことはないです)
あとがき。敢えて実名や具体的な大会名は載せなかったですが、分かる人は分かると思います(^-^;
こういう理由から推していくことになったという経緯を伝えたくて書きました
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